数式カラムを初めて利用しようとしている場合でも、数式カラムのエキスパートを目指している場合でも、おそらく IF 関数を使用することになります。IF 関数の便利な機能はほぼ無限であるため、数式カラムの中で最も頻繁に使用される関数となっています。
こちらの記事では、最初に IF 関数の基本について学びます。その後、IF 関数に追加できるその他のバリエーションや条件についても探っていきます。この記事を読んで、IF 関数とは何か、どのように機能するのか、およびその使用例について学びましょう。🙌
IF 関数を理解する
数式の世界に馴染みのない方は、「IF 関数とは何だろう?」と疑問に思うことでしょう。IF 関数とは、要するに、条件ステートメントを作成するために使われる数式の一種であり、設定された条件を満たすか満たさないかによって値を返し(出力)ます。
最も単純な形式では、IF 関数の式は次のように構成されます。
- まずは条件(例:
IF({Status}="完了"
) - 次に条件が満たされた場合に出てくる値(例:
"成功!"
)。 - 最後に条件が満たされなかった場合に出てくる値(例:
"まだ完了していない…")
)
1つの式にまとめると次のようになります。
IF({Status}="完了"、"成功!"、"まだ完了していない…")
ひとつひとつ見ていきましょう。
上記の例のように、数式ではステータスが「完了」になると、「成功!」という値が返ってきます。一方、ステータスが「完了」に設定されない場合、返って来る値は「まだ完了していない…」となります。つまりこの数式の結果は、ステータスが「完了」というラベルを持っているかどうかが条件となります。
ボード上にはこのように表示されます。⬇️
単一 IF 関数の使用事例
ここまでで、IF 関数とは 何か 、そしてその最も基本的な 構造 についてお分かりいただけたかと思います。では、実際の例で IF 関数がどのように使われるのか、予算追跡のユースケースを見てみましょう。
上のボードは組織の予算を追跡するのに使用します。数式カラムを使用すると、設定した予算と実際の支出の比較を一目で確認することができます。こちらでは以下の数式が使用されています:
IF ({Budgeted}>{Actual Spending},"予算オーバー","予算内")
この関数を設定すると、「予算」額が「実際の支出」額より低い場合、数式カラムに表示されます。「予算」額が「実際の支出」額より低い場合は、「予算超過」と表示されます。逆にこの条件が満たされず、「予算」額が「実際の支出」額を上回っている場合は、代わりに「予算不足」というテキストが表示されます。
IF 関数で AND/OR 条件を使用する
IF 関数を使用する際、特定の追加条件が必要になる場合があります。これはより長く、より複雑な計算を構築しようとするとき、特に重要になります。このため、AND や OR などの他の論理関数を IF 関数と組み合わせることができます。
上記で示されているように、IF 関数にその他の条件や関数を追加すると、追加ステートメント(例:AND({Total Sales}>350,000、{Deals}>12)
)は、最初の IF ステートメント内に囲まれます。AND 条件の例、そして OR 条件の例と続いて、これがどのように機能するのか、以下でさらに掘り下げてみましょう。
AND 条件
AND 関数は、IF 数式内で使用することができ、値を表示するための複数の条件をテストすることができるようになります。これを使用する場合、値を表示するには、設定されたすべての条件が満たされている必要があります。これらの条件が1つのみ、または1つも満たされていない場合、満たされない条件に対して定義された数式に配置された値が代わりに表示されます。
以下のセールスリード管理ボードを検討して、IF 関数と AND 関数を組み合わせて $2,500 のボーナスを受け取るべきかどうかを決定する方法の例を見てみましょう。
このボードには、営業担当者が受け取ることのできる可能性のある2,500ドルボーナスを表示する、「ボーナス値」と名付けた数式カラムが追加されています。営業担当者が2,500ドルボーナスを受け取るには、案件規模が350,000ドル以上であり、かつ支払いステータスが「支払い済み」とマークされている必要があります。以下の数式でそれを実行します:
IF(AND({Deal size}>350,000、{Payment}="支払い済み")、"$2,500"、"$0")
上の数式の例は次のようになります。
- この数式は、まず取引規模が350,000を超えており、支払いステータスカラムが「支払い済み」とマークされているかどうかを読み取ります。
- 両方の条件が満たされている場合、「$2,500」の値が出てきます。
- 逆にどちらの条件も満たされていない場合、数式では「$0」の値が出てきます。
AND 関数と IF 関数の組み合わせをにより、この数式を使うと営業担当者が2,500ドルのボーナスを受け取る資格があるかどうかを簡単に判断することができます。💥
OR 条件
AND 条件と同様に、OR 関数でも複数の異なる条件をテストして値を表示させることができます。このふたつの主な違いは、OR 条件の場合、値を表示するためには、設定された条件のうちの1つだけが満たされる必要があるということです。
このアクションを実際に見るため、下の営業チーム・コミッションのボードを検討してみましょう。前の使用事例と同様に、このボードで各営業担当者のボーナス率を計算することができます。しかし今回、数式カラム(「ボーナス率」というタイトル)は、この計算を行う際に他の変数を考慮します。
今回、営業担当者がボーナスの対象となるためには、2つの条件のうち1つだけを満たす必要があります。
- 総売上高が売上目標額またはそれ以上でなければならない。
- または、アカウント数がアカウント目標数、またはそれ以上でなければならない。
この計算を達成するために、数式は次のようになります。
IF(OR({Total sales}>={Sales goal}、{# accounts}>={Account goal})、{Total sales}*{Commission rate}、0)
2つの条件(総売上高≧売上高目標、 またはアカウント数≧アカウント目標)のいずれかが満たされた場合、その営業担当者はボーナスの対象となり、総売上高にコミッション率を乗じて計算されます。一方でどちらの条件も満たされなかった場合は、ボーナス率は0ドルとなります。
ネストされた IF 数式
ここで説明する最後のタイプの IF 関数は、「ネストされた」IF 数式として知られており、複数の IF 関数を別の IF 関数の内部に埋め込むことで機能します。これは、複数の異なる条件をテストし、これらの条件のどれを満たすかによって特定の値を表示させたい場合に使用します。
これがどのように機能するかを理解するために、ティーシャツの製造会社を管理するために使用される以下のボードを見てみましょう。この使用事例では、「ユニットあたりの価格」と名づけられた数式カラムに焦点を当てます。
このボードでは、「ティーシャツの種類」というステータスカラムで3種類のティーシャツ(アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカ)が表示されています。ネストされた IF 数式を使用することで、選択されたティーシャツのタイプに基づいて、簡単に自動的に単価を表示することができます。
この数式を掘り下げる前に、ティーシャツの種類によって価格が異なることに注意することが重要です。
- ソー:15ドル
- アイアンマン:20ドル
- キャプテン・アメリカ:30ドル
選択されたティーシャツの種類(ステータスラベル)に基づいて、単価を表示するには、3つの異なる IF 関数を1つにネストさせます。
このロジックを反映した数式を作るために、まずティーシャツの種類が「ソー」であるかどうかをテストします。ソーであった場合、値は15と表示(コストに基づいて)されます。この条件が満たされない場合、次の IF ステートメントに移り、ティーシャツの種類が「アイアンマン」であるかどうかをテストし、そうであれば20と表示されます。最後のオプションでは、ティーシャツの種類が「キャプテン・アメリカ」であるかどうかをテストし、もしそうなら、値は30となります。これらの条件を満たさない場合は、0が表示されます。
その結果、数式は次のようになります。
IF(="ソー"、15、IF({T-shirt Type}="アイアンマン”、20、IF({T-shirt Type}="キャプテン・アメリカ"、30、0)))
それぞれの IF 関数が、それぞれのステートメントを別々に開く括弧を持ち、そして最後にはすべて一緒に閉じていることにお気づきでしょうか?ネストされた IF 関数が正しく機能するためには、このような構造になっていなければならなりません。
この数式により、ティーシャツの種類が選択されると自動的に単価が表示されます。🙌
素晴らしいですね!この記事で、数式カラムの中の IF 関数を知るための基礎が身についたことと思います。これを使用すると非常に多くの計算を作成することができ、創造力を存分に発揮することができます!
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