技術であれ、建設であれ、ハードウェアであれ、アイデア出しから完成までのプロジェクトのライフサイクルを管理することは、困難にほかならない。プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトにアサインされ、優先順位を設定し、すべての目標を調整し、さまざまなプロジェクトのライフサイクルのステージを通じてリソースを管理し、結果を社内外のステークホルダーに伝えることが求められます。
このガイドでは、monday.com を使って、プロジェクトのライフサイクル全体とそのステージを合理化する方法をご紹介します。承認プロセス、プログラムハイレベルボード(プロジェクトの集合体)、個別のローレベルプロジェクトボードそのものの作成方法を説明します。monday.com の自動化によって、関連するビューやダッシュボードが絡み合い、プロジェクトの進捗をよりよく監視・管理できるようになります。
プロジェクト承認ボードのセットアップ
プロセスの要となるのは、プロジェクト承認ボードです。このボードは、将来のプロジェクトやアイディアを全て集めるための、シームレスなプロセスを作り上げます。また、ステークホルダーは各プロジェクトのビジネスニードを確認し、 プロジェクトの予算を決め、関連する PM を割り当て、承認された時点でゴーサインを出すことができるようになります。このボードは、契約プロジェクトに取り組んでいる場合にも、社員からの社内提案を承認する委員会で使用する場合にも役立ちます。
このボードは、新しい全リクエストを受け、それが異なるグループやステージに流れつつ評価または承認されるよう、設定されています。カラムには、プロジェクトを承認するか却下するかを検討するにあたり、重要な各プロジェクトの詳細が含まれています。
フォームを介してプロジェクトのアイディアを集める
monday WorkForms はアイディア、提案、またはリクエストを単一のボードに集めるプロセスを効率化するのに役立ちます。 フォームビューを使うと、あらゆるタイプのステークホルダー(チームメンバー、マネージャー、あるいは外部ユーザー)は、各プロジェクトのビジネスニーズを評価するのに役立つ必須フィールドに記入するだけで、プロジェクトのアイデアを追加することができます。
新たなアイディアあがフォームを通して追加されると、プロジェクト承認ボードの上部にある「新規リクエスト」グループに自動的に追加されます。
プログラムハイレベルボードの作成
全プロジェクトが承認されると、それらをリストにして、常に状況を把握できるよう追跡する必要があります。その際、プログラムハイレベルボードが役に立ちます。プロジェクトが一時的なものであるのに対し、プログラムには相互に関連した複数のプロジェクトが含まれています。プログラムハイレベルボードは、承認されたすべてのプロジェクトが、より大きなビジネス目標を達成するための正しい道のりを進んでいるかどうかを可視化する方法で、構築されます。
このボードは、プロジェクト承認ボードで承認されたプロジェクトから直接、自動的に作成されます。その方法については、続きをお読みください!
プログラムハイレベルボードとの統合
プロジェクト承認ボードとプログラムハイレベルボードの間でスムーズな共同作業を実現するために、自動化機能を追加します。自動化は、ワークフローを整え、手間をかけず、不必要な手作業のステップの時間を節約するのに役立ちます。
最初に使用するクロスボード自動化は、プロジェクト承認ボードでプロジェクトアイディアが承認された後、すべての関連情報を含むプログラムハイレベルボードにアイテムを作成することです。この自動化は、ステータスラベルが「承認」に変わるとトリガーされます。
プログラムハイレベルボードに新しいアイテムが作成されると、そのアイテムは異なるグループ間を移動して、その位置を示します。(例:今後予定されている、現在進行中の、または完了したプロジェクト)。「プロジェクトフェーズ」ステータスカラムが変更されるたびに、自動化の助けを借りて、ボード上のさまざまなグループを通じて、これも自動的に移動されます。例えば、「プロジェクトフェーズ」ステータスが「完了」に変わると、「完了済プロジェクト」グループに移動されます。
ローレベルボードでの各プロジェクトの管理・追跡
今ご覧になったプログラムハイレベルボードは、全体像を把握し、すべてのプロジェクトで共通の目標に向かって取り組んでいることを確認するのに最適ですただし、PM やチームがスケジュール、労力、コスト管理の観点からプロジェクト活動を管理および追跡することはできません。これには、専用ローレベルボードが必要になります。
このローレベルボードを作成するにあたり、自動化が再びここで役に立ちます。プログラムハイレベルボードの「プロジェクトフェーズ」のステータスが「プランニング」に変わると、全プロジェクトボードテンプレートが作成されます。このボードは専用「プロジェクト」フォルダ内に直接作成されます。このプロジェクトテンプレートボードから、PM は詳細を掘り下げ、プロジェクトを進め始めることができます。
作成したばかりのローレベルプロジェクトボードを見てみましょう。ここではこれを、「プロジェクト・ロメオ」と呼びます。
こちら
ローレベルボード - プロジェクト・ロメオ
上記の「プログラムハイレベル」ボードから作成されたローレベルボードは、PM とチームに、プロジェクトをより小さなコンポーネントやワークパッケージに分割した成果物指向の内訳を提供します。このボードは、スケジュール、労力、コスト管理のあらゆる側面をサポートします。これらを分解して、さまざまなボード機能を利用してそれぞれをどのように ボードに実装できるかを見てみましょう。
- スケジュール管理
ベースラインと依存関係の設定
このボードのタイムラインカラムでは、プロジェクトの「ベースライン」、つまりプロジェクトを完了する予定の時間枠を計画することができます。これにより、プロジェクトを構成する各活動が時間的にどのように積み重なるかを視覚的に把握することができます。その後、依存関係カラム (「先行」と呼ばれる) を使用して、将来の変更に備えて、さまざまなタイムラインアクティビティを接続できます。つまりあるアクティビティが変更されると、別のアクティビティも変更されます。
計画と現実の比較
ベースラインが設定されたので、さまざまなアクティビティのタイムラインに変更が生じるはずです。計画したベースラインを実際の完了日と比較して測定するため、自動化を作成しました。これにより、アクティビティのステータスカラムが「完了」に変わるたびに、実際の完了日を記録することができます。
完了日を入力したら、数式カラムを使用して、各アクティビティのリードタイムまたはタイムラグを反映させ、後でさまざまなレポートに使用して、計画プロセスに関するより良いインサイトを得ることができます。
マイルストーン
マイルストーンは、プロジェクトのタイムラインに沿った特定のポイントです。他のアクティビティと区別できるようにすることが重要なので、ボードとタイムラインに明確に視認できるよう追加しました。マイルストーンの設定は、タイムラインのポップアップウィンドウで特定の日付をクリックし、「マイルストーンに設定」することで簡単に行えます。マイルストーンはタイムラインビューとボード上にダイヤモンドの形で明確に表示されます。
ガントチャート
このような方法でボードを設定すると、プロジェクトのガントチャートをプロジェクトのさまざまなフェーズごとに表示し、マイルストーンを他の通常のアクティビティから視覚的に区別できるようになります。それを実行するには、ガントビューを追加すると、グループごとにアクティビティとマイルストーンで整理することができます。
ガントチャートを表示する際、マイルストーンはプロジェクトフェーズに応じて単数アイコンで分かりやすく表示されます。
- 工数/仕事量の管理
PM には、各アクティビティに必要なチームエフォートを計画・集計し、ボトルネックを特定してプロジェクトの進捗を推進できるようにする、何らかの仕組みが必要です。
仕事量ビューを使うことで、プロジェクト全体におけるチームメンバー別の工数管理予測を見ることができます。ここで、誰がアクティビティの割り当てに過不足があるかを確認し、それに応じてチームメンバーの仕事量を調整することができます。
- コスト管理
実際の支出の追跡
チームのさまざまな支出を追跡し、これらの支出を区分し、プロジェクトが承認した予算を超えないようにすることは、すべての PM にとって不可欠です。支出を効果的に追跡するため、このプロジェクト・ロメオボードに、各アクティビティの異なる支出を反映するための数値カラムと、「コストタイプ」を追跡するためのドロップダウンカラムを追加しました。
チャートビュー
上記で示したふたつのカラム(支出とコストタイプ)は、コストセグメンテーションの観点からコストをよりよく分析するのに役立ちます。チャートビューを使用して、コストの種類に基づいた内訳を表示するように設定するだけで、分析を実行することができます。
折れ線グラフを使用すると、累積コストと承認された予算の関係を表示することもできます。
以上です!ローレベルのプロジェクトボードをセットアップするための必要な要件がすべて揃っているため、スケジュール管理、仕事量管理、コスト管理のすべてを1か所で行うことができます。
ダッシュボードで全プロジェクトの側面からインサイトを得る
ダッシュボード を使うと、重要なメトリクスをすべて1か所で表示できます。プロジェクトチームは、ハイレベルな目標に集中し、モチベーションを維持し、プロジェクトの生産性を高めることができます。
当社の「プロジェクトボード」では、有意義な情報を表示するために以下のウィジェットを使用しています:
- 概要ウィジェット - タイムラインと「完了」アクティビティステータスに基づき、プロジェクト全体の進捗を反映します。
- タイムラインウィジェット - プロジェクトの異なるフェーズごとにグループ化された、プロジェクト全体のタイムラインを表示します。
- フィルタリングされた数字ウィジェット- 計画された日付と実際の完了日の間の平均リードタイムまたはラグタイムを示します。
- 円グラフウィジェット- 完了したアクティビティの「予定通り」または「遅延した」割合が反映されます。
- 累積棒グラフ- プロジェクト全体を通した累積支出を追跡します。
- 円グラフウィジェット- 種類別の支出の内訳を表示します。
- 仕事量ウィジェット- 各チームメンバーの仕事量を、期待工数とアクティビティタイムラインに基づいて追跡します。
- 棒グラフウィジェット- プロジェクトのライフサイクルにおける異なるステージで必要とされた工数の、計画と現実の差を比較します。
サマリー
プロジェクト管理のワークフローのまとめ:
- プロジェクトは、monday.com のフォームを使ってプラットフォームに提出され、「プロジェクト承認」ボードで評価・承認されます。
- クロスボード自動化は、「プログラムハイレベル」ボードから承認済プロジェクトを生成して、チームに全プロジェクトの概要を提供します。
- 「プロジェクトハイレベル」ボードのプロジェクトのステータスが「開始」に変わると、新しいローレベルボードが自動的にプロジェクトフォルダに作成され、自動通知が関係するプロジェクトマネージャーに送信されます。
- ローレベルプロジェクトボードは、プロジェクトチームがさまざまなワークパッケージを管理し、スケジュール管理、コスト管理、仕事量管理の各分野におけるアクティビティの実行状況を測定するのに役立ちます。
- 各プロジェクトのチームは、「プロジェクトリスク登録」にリスクをに文書化することができ、各リスクの監視、分析、対応に活用することができます。
- プロジェクトのチームは、専用「プロジェクトダッシュボード」を持っており、プロジェクトの実行、監視、コントロールの全フェーズで追跡する必要がある、プロジェクトの重要な側面のすべてを統合します。
以上です。これで monday.com をプロジェクト管理情報ソリューションとして使い始める準備が整いました。
ご不明な点がございましたら、こちらから担当チームにお問い合わせください。24時間年中無休でお答え致します。
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